第01章 —
ナム・クアンはホーチミン市出身の実業家であり、熱狂的なスニーカーヘッドでもあります。彼はRetrokidで自身のブランドを立ち上げ、街のエネルギッシュで活気あふれる雰囲気に刺激を受けています。ここでナムは、路地裏のカフェや隠れた寺院、絶対味わうべき名物料理など、自身のおすすめするホーチミン市のハイライトを紹介します。
ホーチミン市で育った経験はいかがでしたか?
ホーチミン市で育ったことで、他とは違う視点を持つことができました。毎日新しい人々が訪れ、毎日新しいビジネスが始まり、前進しよう、新しいことに挑戦しようというエネルギーに満ちています。
ホーチミン市に住むことの魅力は何ですか?
この街の刺激的なところが大好きです。数年前に海外留学していたのですが、その時一番恋しかったのは、アジアならではの賑やかさや彩り豊かな暮らしでした。ホーチミン市にはそれがあり、同時に現代的な取り組みもたくさん行われています。エキサイトメント、エネルギー、そしてその活気こそが、私がこの街を愛する理由です。
街の中でお気に入りの場所はありますか?
ホーチミン市でお気に入りの場所のひとつが天後宮(ティエンハウ寺院)です。そこに行くには5区へ続く喧騒の道路を通らなければなりませんが、到着すると、都会の真ん中にいながらとても静かで穏やかな気持ちになれます。これこそが、私にとって実にホーチミン市らしいところです。外には喧騒とエネルギーが満ちている一方で、自分自身や思考に向き合える静かな場所もちゃんと見つかるのです。そこで心を整えてから、また前進するために外の世界へと戻っていくのです。

ホーチミン市の人々についてどう感じますか?
ホーチミン市で実に面白いと思うのは、人々です。あちこちから人が集まってきます。さまざまな省や国からの人々がここで暮らし、働いているため、賑やかさと多様性を感じられます。ホーチミン市は人々にポジティブなエネルギーを与えてくれます。ここの人々は寛大で気さくで、新しいアイデアを歓迎してくれます。
ホーチミン市でお気に入りのコーヒー体験は何ですか?
コーヒーなしでは一日を過ごせません。ホーチミン市でお気に入りのコーヒーショップのひとつは、3区のファム・ゴック・タック通りにあります。路地裏にあり、オーナーが小さないすを出してくれるので、朝食後・仕事前に友達と座ってゆったり過ごせます。友達と話したり、新しいアイデアを思いついたり、お互いの話を交わしたりできます。そしてコーヒーが素晴らしいのです。

一番好きなベトナム料理は何ですか?
元々「cơm tấm(コム・タム)」とは「砕かれた米」を意味します。収穫後、最高品質の米粒を選んで人々に販売していました。形の悪い米粒、つまり砕け米は売りにくかったのです。そこで農村の人々が、この砕け米にポークチョップ、きゅうり、トマト、ネギなどの具材を組み合わせたのが、コム・タムの始まりです。こうして昔から親しまれてきたコム・タムは、ベトナムで最高の料理の組み合わせのひとつになったと思います。
ホーチミン市を訪れる旅行者へのアドバイスはありますか?
ホーチミン市では時間をかけてゆっくり過ごすことをおすすめします。ローカルな市場を探してみてください。早起きして市場へ行き、わずか1時間でも過ごせば、街が動き始める様子を目にすることができるでしょう。 人々と話してみてください。誰もがそれぞれのストーリーやお気に入りの飲食店を持っています。

コーヒーなら、私のお気に入りのローカルスポットのひとつは「Phin and Bean」というスペシャルティコーヒーのお店です。日が暮れたら、4区にある貝料理の通り(ベトナム語ではVinh Khanh)へ行きます。炎と煙が立ち上り、賑やかで本当に楽しい場所です。ルーフトップバーなら、市内中心部の1区にある「Lighthouse」が好きです。高すぎないフロアなので、街に包み込まれているような景色が楽しめます。
年月の経過とともに、ホーチミン市との関係はどのように変化しましたか?
若い頃、ホーチミン市は大きく変化していました。毎週のように新しいビジネスやイベントが生まれ、新しい出来事が次々と起こっていました。その変化は私にも、常にワクワクするようなエネルギーを与えてくれました。大人になってから、ホーチミン市には古き良き価値観も数多く残されていることに気づきました。しかし日々が過ぎるにつれ、そうした価値観が取り残されてしまうことがあります。

だからこそ大人になった今、この街に対する私の役割のひとつは、そうした価値観を守り、人々に思い出してもらうことだと思っています。新しいことや新しいアイデアを追求しながらも、古い歴史や本物らしさを忘れないようにしたいのです。






